【現役薬剤師が意見】病院薬剤師ドットコム登録前に知るべきデメリット

薬剤師の転職サイト選び、ややこしく感じませんか？

私は薬剤師転職サイトを検討する際、正直薬剤師でもない方の記事を読んでも信用できませんでした。

そのため、この記事では普段から転職サイトを利用している現役薬剤師の私が、経験を踏まえて『病院薬剤師ドットコム』についての情報をまとめています。

この記事でひとりでも多くの薬剤師が、転職サイト選びで悩む無駄な時間をなくし、本当に必要なことを考える有意義な時間になれば幸いです。

今回の記事を最後まで読むと、『病院薬剤師ドットコム』を利用する上でのデメリットを事前に知ることができます。注意点を知ったうえで、あなたに有利な転職活動を進めていきましょう。

『病院薬剤師ドットコム』登録前に知っておくべきデメリット

まずは現状の確認ですが、以下の条件に当てはまる方には『病院薬剤師ドットコム』の利用をおすすめしていません。

• 病院薬剤師に興味がない場合
• 関東・関西エリア以外の地域で働きたい場合

しかし上記にあてはまらない病院希望の薬剤師であれば、『病院薬剤師ドットコム』は登録しておくべきサイトと言えます。

その理由は、病院希望の薬剤師専門の転職サイトは『病院薬剤師ドットコム』だけだからです。

運営元のメディウェル社は、もともと病院経営のコンサルタント・医師薬剤師の紹介事業を20年以上続けてきた企業です。そのため病院との信頼関係が構築されており、『病院薬剤師ドットコム』が独占する病院薬剤師の求人の質が他社と比べて高いと評価できます。

とはいえ！なにも事前知識がないままだと、大事な転職活動が失敗に終わります。『病院薬剤師ドットコム』を利用する上でのデメリットも知った上であなたに有利な転職活動にしていきましょう。

転職に対応してるエリアが東京・大阪の近辺のみ

『病院薬剤師ドットコム』で薬剤師に対応するエージェントが在籍するのは2拠点（東京、大阪）に限られます。そもそも転職に対応している地域も東京、大阪周辺の東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山のみです。

『病院薬剤師ドットコム』の競合相手である最大手3社の場合は、

『ファルマスタッフ』12拠点（札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡）、

『マイナビ薬剤師』15拠点（札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、横浜、名古屋、石川、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡、鹿児島）、

『リクナビ薬剤師』4拠点（東京、大阪、名古屋、福岡）です。

上記3つのサイトであればいずれも、全国の病院薬剤師の求人を多く取り扱っています。

東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山の病院を検討する方であれば『病院薬剤師ドットコム』を登録しておきましょう。

アイン薬局への転職をおすすめされる

『病院薬剤師ドットコム』は病院希望の薬剤師専用の転職サイトですが、運営元のメディウェル社はアイン薬局のグループ企業です。

病院希望する方の中で「転職する上で給与はそこまで重要視していない」「転職先を病院と薬局で迷っている」と思っている場合は注意をしておきましょう。

特に年収よりも仕事でのやりがいを重視する傾向にある病院薬剤師希望の方だと、アイン薬局への転職をおすすめされやすい傾向にあります。

人によって職場に求める条件は様々あると思います。年収だけでなく仕事のやりがいや勤務時間などの労働環境も重要です。しかし、

転職活動をする上で最低限の条件として、年収は今の職場と同程度、もしくは今の職場以上になる求人を探すべきです。

理由としては、転職エージェントにとって最も楽なのが、今の職場より悪い条件の求人を紹介する事だからです。

逆に言うと、どれだけ好条件の求人を紹介できるかが転職エージェントとしての腕の見せ所になってきます。

年収の下がる転職でよいのであれば、好条件の求人を多く持っている『病院薬剤師ドットコム』を使う必要はありません。弱小無名の薬剤師転職サイトは他にもたくさんあるので、そちらで十分と事が足りてしまいます。

もし、今の職場より年収の低い職場へ転職してしまうと・・・

給与水準の低い職場に働くと、自分自身が自己研鑽に励むモチベーションが下がるだけではありません。

たとえ、あなたのモチベーションが維持できたとしても、周りの従業員も維持できているとは限りません。労働環境が悪いと、とてもいいキャリアを形成するどころではなくなってしまいます。

転職に失敗したと感じて、もう一度転職活動を行う際には時間的な余裕も今よりなくなるので、「ライフ×やくざいし」では今の職場より年収の低い職場への転職はおすすめしていません。

転職先としてアイン薬局を紹介されたときの対策

『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェントからの情報には、アイン薬局を推薦するバイアスがかかる事を理解した上での転職であれば問題ありません。

しかし、そうでない場合は、

転職先に求める条件として、大手調剤薬局は希望しない旨を伝えてしまって大丈夫です。

『病院薬剤師ドットコム』はそもそも病院希望の薬剤師向け転職サイトなので、特にあなたが不利益を被ることはありません。

その上で『病院薬剤師ドットコム』1社しか利用していないと、「今より年収が良くなる転職は難しい」と伝えられた場合に、そんなものかと納得させられてしまうことがあります。

複数社の転職サイトを併用していると、相場を知ることができるので良い条件の求人を見つけやすくなります。

派遣薬剤師の優良認定はない

派遣薬剤師として働きたい方向けですが、『薬キャリエージェント』では「優良派遣事業者」の認定は厚生労働省から受けていません。ですがそもそも派遣薬剤師の求人を扱える転職サイト自体が数少なく、大手の『マイナビ薬剤師』や『リクナビ薬剤師』ですら派遣求人には対応していません。

※全部使うと「会員登録がめんどくさい」「既視求人（被り）が多い」「DMが大量に来る」という状態になるので、上記転職サイトの中から3つほど選んで利用するのがおすすめです。

しかし独自のコネクションやツテもあるため『薬キャリエージェント』が独占している求人情報も多く存在します。

特に『薬キャリエージェント』で派遣薬剤師として働くと保険料が安い割に、病気や怪我、出産などに際しての給付も充実しているメリットがあります。また、有給や産休、育休などの休暇についても意識が高く担当エージェントがサポートしてくれます。

派遣薬剤師や副業については、こちらの記事にまとめてあるので、まずはお読みください。きっとお役に立てると思います。

担当エージェントとの相性が合わない場合がある

『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェントとあなたの相性が合わず、登録したのに納得のいく結果が得られないデメリットがあるので注意をしておきましょう。

『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェントは他社に比べると、劣っているのでしょうか？『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェント全体の質は高いです。

その理由は、病院希望の薬剤師専門の転職サイトは『病院薬剤師ドットコム』だけだからです。

運営元のメディウェル社は、もともと病院経営のコンサルタント・医師薬剤師の紹介事業を20年以上続けてきた企業です。そのため病院との信頼関係が構築されており、『病院薬剤師ドットコム』が独占する病院薬剤師の求人の質が他社と比べて高いと評価できます。

しかしながら、『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェントも一人一人は人間なので、相性の悪い人もいます。『病院薬剤師ドットコム』は抱える転職エージェント数も大規模なので、転職エージェントの質に多少のバラツキが出てしまうのも仕方ないとは言えます。

もしあなたが運悪く、質の低い転職エージェントの担当になった場合は、

1. 担当を変更してもらえるように『病院薬剤師ドットコム』側に伝えるか、
2. 他の転職サイトを併用して比較検討する必要があります。

担当を変更してもらうように伝えるのはハードルが高いので、他の転職サイトの併用がおすすめです。ちなみに現状で『病院薬剤師ドットコム』と併用すべき転職サイトは『ファルマスタッフ』と『マイナビ薬剤師』の2社です。

上手な転職活動ができるのは、時にしたたな一面を持てる人です。逆に失敗しやすいのは自己主張ができないままの人です。

転職活動の主役は間違いなくあなたです。

とはいえ大手であるメディウェル社の運営する『病院薬剤師ドットコム』では悪質なエージェントが担当につく可能性が他社より少ない点は安心できます。逆に大手ではない転職サイトを利用する際は、さらにエージェントの質にばらつきがあるので注意が必要です。

評判や口コミ、ランキングサイトの情報があてにならない

『病院薬剤師ドットコム』に対する評判や口コミ、ランキングサイトの情報を鵜呑みにしてはいけません。

人が評判や口コミを書こうと思える時とは、

1. 堪えられないほど嫌な経験をしたとき
2. 自分自身にメリットがあるとき

あなたにとって本当に参考になるのは、ちょうどその中間の情報です。

このサイトも含めインターネットでの検索結果は、あくまで参考に留めましょう。最終的には自分自身で、得た情報を総合的に判断するネットリテラシーが現在の転職活動には重要です。

そしてもちろん、『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェント一人の意見しか取り入れない利用者は相手にとって良いカモです。『病院薬剤師ドットコム』の転職エージェントは優秀なので、うまく口車に乗せられて、誘導されないように注意して下さい。

どの転職サイトでも１社の話だけで判断するのはNGです。無料なので必ず2～3社の意見を比較して選びましょう。

【コロナの影響】薬剤師が転職に強いままだと思っている人はヤバい

コロナの影響で外来患者の数が減り、日々のデータを比較するまでもなく、体感できてしまうほどのヤバさです。

コロナは薬剤師の転職市場にどのように影響しているのでしょうか。厚生労働省が毎月発表している有効求人倍率（企業からの求人数を求職者数で割った値）のデータをもとに、薬剤師の雇用状況についてみてみましょう。

最新（2021年4月）の有効求人倍率は1.75倍です。コロナ前（2019年）の同4月に比べ半減しました。ただし他職種の平均と比べると、薬剤師はまだ2倍以上のアドバンテージがあります。

ワクチン接種後もコロナの影響は完全になくならず、ウィズコロナの時代がしばらく続くことが予想されます。

薬剤師転職市場の減少が続く今後は、厚生労働省の認定がなく、大手でもない転職サイトから順に経営が厳しくなっていくことでしょう。経営に余裕がない転職サイトは、存続が危ぶまれるため倫理感より目先の儲けを優先します。あなたに不利な転職を見境なく提案してくるでしょう。

とはいえ、薬剤師資格は6年制大学の卒業が必要なこともあり、多職種よりも分厚い参入障壁がそびえたちます。そのため、いずれは有効求人倍率の回復はするでしょうが、いつ、どの程度まで回復するかは誰にも分かりません。

いい求人が出たら満を持して飛びつけるように、今のうちから準備をしておきましょう。

薬剤師の転職市場も年齢が低いほうが有利です。転職の波に乗り遅れて後悔をしないように行動しましょう。

ただし急いで転職する必要がある方は気を付けてください。焦って求人に飛びつこうとする人ほど、いいカモです。満足のいく転職活動が遠のきます。

どうしても急いで求人を探す必要がある場合は、『ファルマスタッフ』と『マイナビ薬剤師』の2社だけでも同時に登録して比較すると良いです。

30秒で済む！『病院薬剤師ドットコム』登録からの流れ

『病院薬剤師ドットコム』に登録したあとは、特に準備は必要ありません。担当者がついてくれますので、気軽に身をゆだねれば良いのですが、初めて使う方は不安も多いかと思います。

登録後に何が起こるのかをあらかじめ把握しておきましょう。

情報収集にとどめたり、納得のいく求人がない場合は、STEP4「ほかの転職サイトもここで登録」まで行動できていれば十分OKです。

『病院薬剤師ドットコム』と同時に利用するべき転職サイト

『病院薬剤師ドットコム』は、他に病院希望の薬剤師に特化した転職サイトはないので、病院薬剤師として働きたい方であればまず登録をするべき転職サイトと言えます。

厚生労働省の「職業紹介優良事業者認定」を得ている薬剤師転職サイトは、『マイナビ薬剤師』と『ファルマスタッフ』のたった2社だけなので、どの条件の方にであってもまず登録すべき転職サイトに該当します。

しかしながら、それぞれの転職サイトしか持っていない独占求人情報があるので、複数の大手転職サイトから求人紹介を受けましょう。

薬剤師転職サイト同士は競い合っているライバル関係にあるので、それぞれの会社が日々良い求人案件の獲得に切磋琢磨しているからです。

どの転職サイトでも１社の話だけで判断するのはNGです。無料なので必ず2～3社の意見を比較して選びましょう。

１社の転職エージェントの情報だけでは、どうしても相性の問題と偏った情報に振り回されるリスクが無視できません。エージェントを通して得た情報を精査するために、３社程度から情報を得るようにしましょう。

３社の転職サイトを併用できれば、だいぶと情報の精査がしやすくなるのでおすすめです。

『病院薬剤師ドットコム』登録前に知っておくべきデメリットまとめ

病院転職を希望する薬剤師であれば、『病院薬剤師ドットコム』はまず登録しておくべきサイトと言えます。

運営元のメディウェル社は、もともと病院経営のコンサルタント・医師薬剤師の紹介事業を20年以上続けてきた企業です。そのため病院との信頼関係が構築されており、『病院薬剤師ドットコム』が独占する病院薬剤師の求人の質が他社と比べて高いと評価できます。

ただし『病院薬剤師ドットコム』を利用する上で、知っておくべきデメリットは以下の通りです。

現在唯一の病院薬剤師を専門とした転職サイトである『病院薬剤師ドットコム』を登録しないのはもったいないのでデメリットにはしっかり対処した上で利用したいところです。

『病院薬剤師ドットコム』を上手に活用する上でのテクニックとして、ハッキリと伝えるべきポイントは以下の通りです。

転職活動の主役は間違いなくあなたです。後悔が残らないよう、少しずつでも自己主張していきましょう。

そして転職活動全体を通して、何より重要なポイントは複数の転職サイトの意見を比較して検討することです。

３社以上の転職サイトを併用できれば、だいぶと情報の精査がしやすくなるのでおすすめです。

以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。