薬剤師研修・認定手続きの電子システム「PECS」が稼働開始し、実物の単位シールと研修認定手帳はなくなりました。この記事では最新のオススメeラーニングを比較していきます。楽しく研修認定薬剤師の単位を集めましょう。
研修認定薬剤師を申請するには新規の場合4年以内に40単位、継続更新の場合は3年間に30単位(各年5単位以上)の習得が必須となります。
最短で研修認定薬剤師の単位が必要な方にはこちらの記事からお読みいただく事をオススメします。
研修認定薬剤師の単位にオススメのeラーニング
本記事ではプロバイダー(=シールの送り先となる研修実施機関のこと)が日本薬剤師研修センター(G01)からオススメしています。日本薬剤師研修センター(G01)でないと、インターネット研修でとれる単位数に制限があったり、他プロバイダーの研修との合算に制限があるからです。
日本薬剤師研修センター(G01)は90分の講義に対して1単位の受講シールの発行をインターネット研修の基本のルールとしています。そのためサイトによっては30分程度を3つ受講して1単位分になったりします。
①:メディカルナレッジ
受講できる講座数が最多でアプリも使いやすいので、どこでもいいからeラーニングの単位を集めたい人にはまず「メディカルナレッジ」がオススメです。
メディカルナレッジは毎月講座の更新がされますが、全体的な講義の進行は抑揚がなく単調な感じです。しかし退屈な講義とは裏腹に、機能性は分かりやすく使いやすいので初めての受講でも安心です。アプリ版もリリースされておりスマホでの操作性も快適に感じます。しっかりと設備投資がされている印象です。
動画視聴後それぞれの講座の○×2択式の確認テストを受ける必要がありますが、テストの点数に関係なく研修受講単位の申請が可能です。
1講座25分~40分程で、3講座受けるとで1単位分となります。短時間の動画から受講すると楽できます。
講座数:1162講座(387単位)
受講期間:1年間
確認テスト:点数に関係なく申請が可能
受講料(10%税込):24,420円(無制限)、19,800円(40単位)、16,500円(20単位)、14,850円(10単位)
支払方法:クレジット決済、コンビニ払い
②:かかりつけ薬剤師.com
『かかりつけ薬剤師.com』は1単位からでも取得可能で、研修認定の申請まであと数単位足りない方にの微調整にもオススメです。
『かかりつけ薬剤師.com』では、全ての講座の受講は無料です。ただし研修受講単位を発行する時点で1単位毎に会費500円ががかかります。新規登録に必要な40単位を申請するなら20,000円です。
講義内容はSiriやアレクサのような自動音声がひたすら文章を読んでいる感じです。10秒送りや10秒戻しの他、倍速再生もできますができます。ただし視聴時間はリアルタイムしか反映されず、動画の終わりまで行くと再生が自動で止まってしまうため、下手に再生機能をいじらないことをオススメします。
動画の受講時間の達成と確認テストに合格(正答率80%以上が必要、なんどでも可)すると、1単位を取得できます。
90分通しの動画も30単位分ありますが、中には2分割〜3分割されている動画もあります。動画中にポップアップによる視聴確認はなく気軽な受講ができます。90分通しの動画から単位を集めると楽できます。
PECSにおける単位は申請した月の末日付けの取得となり、取得単位の反映は申請の翌々月末(4月に申請した場合6月末)です。なお講座の申請をした日が研修修了日となります。
講座数:71講座(49単位)
受講期間:いつでも
確認テスト:80%以上の正解が必要
受講料(10%税込):受講は無料だが、研修受講単位1単位の発行につき会費500円
支払方法:クレジット決済、銀行振り込み
PECSへの反映:申請の翌々月末(4月に申請した場合6月末)
③:サプネット
「サプネット」は唯一のサプリメントや健康食品、機能性表示食品などに特化したeラーニングを受講できるサイトです。
ベーシックサプリメントからアンチエイジングに至るまで、 幅広い分野のサプリメント情報を網羅的に学べます。かかりつけ薬剤師だけでなく健康サポート薬局に求められる、サプリメントや健康食品を含む 健康相談業務に対しての知識をより柔軟に対応に身に着けることができます。
30分の研修動画を3本の受講と、15問中9問の「習熟度テスト」に正解(60%以上)すると、1単位を取得できます。
認定単位の申請は各月末で締め切り、翌々月末日(2ヶ月後)にPECSに反映されます。認定更新日がある月の、前月末までに必要単位を取得し単位申請を完了する必要があります。
講座数:150講座(50単位)
受講期間:1年間
確認テスト:9問/15問(60%)の正解が必要
受講料(10%税込):15,950円(無制限)、12,100円(10単位)、6,600円(5単位)
支払方法:クレジット決済のみ
PECSへの反映:申請の翌々月末日(2ヶ月後)
④:地域包括ケアを担う薬剤師のためのインターネット研修
1日4単位までの受講制限とレポート提出が面倒ですが、コスパ最高なので申請まで時間がある人には「薬剤師のためのインターネット研修」がオススメです。
スギ薬局ホールディングス35周年目に設立された杉浦記念財団運営のeラーニングサービスで、年7,000円で160講座が受講し放題なのでコスパ最高です。
ただし1日4単位までの受講制限があるため、休日などにまとめて受講することができません。受講制限がかかっている日(1日)が過ぎると、制限はクリアされ再度受講可能となります。制限がクリアされる時間は24:00です。
確認試験(60%以上の正解が必要、なんどでも可)または100文字以上のレポート提出が必要な講座があります。レポート採点の場合理解度が不十分と判断される場合は再度レポート作成を要求されたり、極端にレポートが短い場合は単位として認められないことがあります。
PECSへの反映は受講完了月の翌々月末頃です。なお単位取得日は受講月の末日付となります。
講座数:160講座
受講期間:1年間
確認試験:正解60%以上必要、または100文字以上のレポート採点
受講料(10%税込):7,000円(無制限)
支払方法:クレジット決済のみ
PECSへの反映:受講完了月の翌々月末頃
⑤:MPラーニング
医薬品卸業のメディセオが制作するeラーニング『MPラーニング』は、大学教授陣や専門家による監修のもとに、医療や栄養分野(サプリメント・健康食品を含む)、 薬事関連法規、対人接遇研修と幅広い分野で、実践的に有用な研修内容が盛込まれています。
MPラーニングでは、研修認定薬剤師の『新規取得コース』と『更新コース』の2つのコースがありますが、いずれのコースでも受講コンテンツ数や取得単位数の制限などはありません。両コースに内容の違いはないのですが、安価な更新コースは現在有効な認定証がある人しか利用できません。
3コンテンツの受講を完了(進捗100%)することで1単位となり、受講月の月末日付に単位として付与されます。受講データは翌々月末までにPECSに反映されます。(4月に9コンテンツを受講した場合、4月30日を単位取得日として、3単位が6月末までにPECSへ反映)
1講座30分程で、3講座で1単位となります。動画の最後に確認テストがありますが、点数は関係なく申請が可能です。
ただし視聴の有無を確認するボタンが3〜5分ごとに表示されるので、料理など家事をしながら視聴する方にとって大きな妨げとなります。
講座数:804講座(268単位)
受講期間:登録から翌年の4/30まで
確認テスト:点数に関係なく申請可能
受講料(10%税込): 16,500円(新規申請)、8,800円(更新)
支払方法:クレジット決済、郵便払い込み
PECSへの反映:受講完了月の翌々月末までに
⑥:ファーマストリーム
『ファーマストリーム』は講義動画は基礎編と実務編に分かれており、コンセプトは基礎を中心に集中して学習するスタイルです。
取得単位は申請当月末の受講日として、2ヶ月後の末日に研修センターが登録します。単位が反映されるのはそれ以降です。更新場合はの前月までに単位申請を行うようにしましょう。
講座数:340講座
受講期間:1年間
受講料(10%税込):22,000円
支払方法:クレジット決済、銀行振り込み
PECSへの反映:2ヶ月後の末日以降
無料で年40単位とれる!コスパ最強のeラーニング
派遣求人サービス『アプロ・ドットコム』の特典ですが、新規申請に必要な40単位の相場がおおよそ20,000円なので、完全無料は破格なことが分かると思います。
派遣薬剤師として働いている方、またはこれから派遣薬剤師としての働き方を検討される方は是非ご検討ください。
⑦:アプロ・ドットコム(派遣求人サービス)
『アプロ・ドットコム』は派遣薬剤師の求人紹介サービスです。現在120時間以上派遣勤務した方にスキルアップのため、eラーニングの講座を無料で提供しています。
2015年からの労働者派遣法改正で、派遣スタッフにはキャリアアップ支援が義務付けられるようになったのでその一環だと考えられます。無意味な研修ではなく「せっかくなら受講させるなら」とeラーニングを用意してくれるあたり、同じ薬剤師が経営している『アプロ・ドットコム』の愛を感じます。
講座数:900講座(300単位)
受講料(10%税込):年120講座(40単位)まで無料
支払方法:不要
\ 入力はカンタン 60秒 /
派遣を検討されている方はこちらも併せて計2〜3社登録し求人を比較するのがオススメです。
※全部使うと「会員登録がめんどくさい」「既視求人(被り)が多い」「DMが大量に来る」という状態になるので、上記転職サイトの中から3つほど選んで利用するのがおすすめです。
研修認定薬剤師を取得するメリット
そもそもeラーニングを受講して研修認定薬剤師の資格が必要とされているのは薬局・ドラッグストアで働く薬剤師です。研修認定薬剤師の資格はかかりつけ薬剤師の算定要件に必要だからです。さらに地域支援体制加算ではかかりつけの算定件数が月に
かかりつけ薬剤師指導料で170円〜310円の客単価アップ
- 薬局での勤務経験が3年以上あること
- 勤務先の薬局に週32時間以上勤務している
- 勤務先の薬局に1年以上在籍していること
- 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師を取得していること
- 医療に関わる地域活動に参加していること
地域支援体制加算で全ての患者から170円〜470円を多くもらえる
- 処方せん受付1万回あたり40回以上のかりつけ薬剤師指導料等実績(地域支援体制加算2〜4)
- 認定薬剤師の他職種連携会議への参加
かかりつけ薬剤師の存在が薬局の収益の柱になる
かかりつけ薬剤師になると、かかりつけ患者一人当たり170円〜310円の客単価を増やせるだけでなく、月1500枚処方箋を受け付ける薬局であれば25.5万円〜70.5万円(年306万円〜846万円)の利益(調剤技術料)を多く稼げるポテンシャルがあります。
今後さらにかかりつけを推し進める方向に動いているので、これからの調剤報酬改定で更にかかりつけ薬剤師による利益アップが見込めます。
年収がアップする
研修認定薬剤師は薬剤師の資格の中でも年収アップに直結しやすい資格の一つです。所得難易度、継続のしやすさから考えてもコスパは非常に良いです。
今後さらに薬局の収益の大黒柱になると予想される「かかりつけ薬剤師」。資格所得にかかる費用には会社から補助金が出たり、資格所得後に資格手当が別途支給される場合がほとんどです。
会社としても調剤報酬をより多く受け取れることになるので、資格取得後に資格手当てとして反映させやすく年収アップにつながります。
プライベートで自己研鑽できるポテンシャルのある薬剤師は今後の変化にも対応できると評価されやすいです。
また転職時にも「研修認定薬剤師」の資格があると有利に働くのであなたが働く地域の年収相場を一度調べておくのがオススメです。
「研修認定薬剤師」の資格があるだけで上司や周囲からの評価も違ってきます。少なくても悪さをすることはないので勉強ツールとしても積極的に活用していきましょう。
その他の勉強ツールとしておすすめできる『m3.com』
「m3.com」とは日本最大級の医療従事者に向けた専用のサイトです。医療版のYahoo! JAPAN的ポジションで医療系ニュースを無料で読めます。新薬情報・業界の動向・調剤報酬改定の速報など幅広いアンテナをはっておけます。
薬剤師の会員による掲示板もあり、スキマ時間に眺めているだけでも新鮮な知識が手に入ります。
登録が完了すると1〜2ヶ月でAmazonギフト券3,500円分を貰うことができます。
私が実際にポイントが反映されるまでは40日程かかったので、無料登録だけでも早めに済ませておきましょう。
\ 3,500円分ポイント進呈中 /
※ 期間限定 12月 31日(火)まで
m3.comの初回登録でもらえるポイントは、現在もおトクすぎて薬剤師へのボーナス的キャンペーン。過去最大の登録ポイントが貰える今のうちにアマゾンギフトに交換しておくのがオススメです。
本当に必要とされる薬剤師へ
たしかに不正防止対策をしてeラーニングによる研修認定薬剤師の価値を保つことは大切です。
しかしYouTubeなどの動画視聴サービスが倍速再生に対応する中、日本薬剤師研修支援センターの持つ時間をかけて受講すれば正義だという感覚はずいぶん時代遅れだと思います。
せっかくの動画コンテンツなのに、早送りどころか巻き戻しすらできないって本質的な勉強にならないですよ。薬剤師だってそんな暇じゃあないです。時間で縛るな!
ただただ「時間とお金さえかければ認定あげまーす」って無駄な研修認定制度であり続けるなら、研修認定制度自体が淘汰されて消し飛ぶべきです。薬剤師に生涯学習の楽しさも提供し、本質的な付加価値をつけるような研修認定制度への発展に期待しています。
単位集め制度に振り回されるの薬剤師から、本当に必要とされる薬剤師になれるよう、一緒にがんばりましょうね!
自分の価値を上げるための転職
忙しすぎる職場でどれだけ自己研鑽をしようとしても長続きしません。
自分のために成長できる環境を用意してあげることが薬剤師にとっては最高の自己投資だと考えます。
特に残業が多い、通勤時間が長い、単調な業務内容、給与が少ない(上がらない)という人は一度自身の環境を見直し転職活動をしてみることで今より良い環境にステップアップできるチャンスと考えてみましょう!
すぐに転職はしなくても、自分の住む地域の平均年収や有給休暇の取りやすさ、経営者が求めている資格やスキルを知ることは、たとえ転職を選ばなくても今の仕事を続ける上でもプラスになります。
自分のキャリアについて相談できる転職エージェントを見つけておくと、いざ本気で転職したくなった時にも安心です。
転職サイトを上手に活用し、楽しい薬剤師ライフを送りましょう!
本研修認定薬剤師についての記事作成にあたりeラーニング等の情報提供をいただいた薬剤師の皆様にこちらで感謝申し上げます。
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