禁煙に手遅れはありません。今から変われば大丈夫ですよ。
「赤ちゃんにたばこは良くなさそうだけど、よく理由が分からないからそのうち・・・」と思っているパパとママに読んでいただきたい記事です。
「他の記事ではわかりにくい」といった方のためにも薬剤師の私がまとめました。
喫煙ができない。周りの人間の理解が得られない方の参考になれば幸いです。
妊娠とたばこ
たばこによって、そもそも妊娠する能力を低下させてしまいます。
妊娠中とたばこ
たばこを吸っているままでも、「ここまで吸ったら仕方がない」と諦めてはいけません。今からでもたばこをやめましょう。
落ち着きがない子供になる
いわゆる「発達障害児」は、生まれてくる子どもの3~5%程度と言われますが、虐待を受けた子どもたちを調べると、その約50%は発達障害があるのです。
出生体重が小さくなる
胎児の成長が制限されることもあるので、低出生体重の可能性が増加します。
さまざまな害
このほかにも喫煙と関連がある可能性があることとして、子宮外妊娠・自然流産・口蓋裂が指摘されています。
授乳中とたばこ
たばこを吸うママでも母乳育児は継続しましょう。しかしできる限りの本数は減らす必要があります。特に1日20本以上たばこを吸うママは、必ず本数を減らしましょう。
タバコを吸っているお母さんは是非母乳を続けましょう。母乳に出てくるニコチンの影響を考えても喫煙+人工乳より母乳の方が恩恵が大きいことが分かっています。タバコの本数も減らしていきましょう。
慶応義塾大学 医療・健康情報サイト「KOMPAS」
ママのおっぱいの量が減る
赤ちゃんがママのおっぱいを吸うと「プロラクチン」というホルモンが分泌され、母乳が作られます。そんな授乳に不可欠なプロラクチンは、喫煙すると分泌が遅れ、量も減少するというデータがあります。
さらに喫煙によるニコチンが血管を収縮させて、ママのおっぱいの産生をおさえるので、おっぱいの出が少なくなります。
1日に4本以上タバコを吸うママは、全く吸わないママに比べ、母乳分泌量が1〜2割減り、その減少割合はタバコの量が多いほど大きくなるということもわかっています。
ママのおっぱいにニコチンが混じる
タバコの葉には「ニコチン」という神経毒性の強い物質が含まれています。ニコチンはママのおっぱいに混じります。
1日に1~11本のたばこを吸うママ
たばこ1~4本では母乳1リットル中に0.12mgなのに、5~10本では、0.22mg、11本以上では0.44mgと、本数が増えるとニコチン量も増えるというデータがあります。この数値から見れば、ニコチン量は多いとはいえませんから、急性ニコチン中毒を起こすほどではありません。
ただし、タバコを吸った直後は母乳中のニコチン濃度が非常に高くなるため(母体血液中の濃度の2~3倍)、喫煙直後の授乳は避けなければなりません。タバコを吸い終わってから3時間程度経つと、母乳中のニコチン濃度はかなり低下することがわかっています。
1日に20本以上たばこを吸うママ
1日に20本以上のたばこを吸うママでは、急性ニコチン中毒(不機嫌、不眠、嘔吐、下痢などの症状)が出ることが報告されています。減らしましょう。
元気だった赤ちゃんが睡眠中に突然死んでしまう
乳幼児突然死症候群(SIDS)についてです。
乳幼児突然死症候群(SIDS)起こる原因
SIDSが起こる詳しい原因はまだわかっていません。ですがタバコが危険因子とされ、両親ともに喫煙者の場合、喫煙しない場合に比べ約4.7倍もSIDSの発症率が高くなるとされています。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防法
SIDSの明確な予防法はまだ確立していませんが、発生率を低くするための3つのポイントがあります。それは、禁煙、赤ちゃんのあおむけ寝、そして母乳育児です。母乳は赤ちゃんにさまざまなメリットがありますが、母乳を飲んでいる赤ちゃんの方がSIDSの発生率が低いということはわかっています。
こどもとたばこ
受動喫煙
たばこの煙は刺激物です。主流煙は酸性なのに対して、副流煙はアルカリ性で刺激作用が強いとされています。
アレルギー症状
副流煙を吸うことにより、眼のかゆみ・痛み・涙・まばたき・鼻づまり・くしゃみ・鼻水等の症状が現れます。
ぜんそく
気管への刺激によって、咳が出たり、気管支喘息の方は発作が引き起こされます。
肺活量などの呼吸機能が低下します。
皮膚温の低下
ニコチンは血管を細くする作用があり、皮膚の血行が悪くなり、皮膚温が低下します。
かぜをひきやすく、かぜが治りにくい、中耳炎などの影響
誤飲・誤食
こどもが間違って食べ物以外の物を食べることを誤飲・誤食といいます。その最も多いものはタバコです。
たばこやめられないママへ
この記事ではニコチンと授乳についてまとめました。
テレビのCMで「JT」なんてロゴを見たことはありませんか?
「JT」はたばこの会社です。スポンサーがたばこの番組で喫煙のリスクを訴えにくいですよね。
現在に生きるみなさには、「はり薬」「禁煙ガム」など次々と新しい薬が開発されています。
テレビの番組と違い、私も含めた薬剤師にスポンサーはついていません。近くの薬剤師さんに相談してみるのもいいかもしれません。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
参考:母子健康協会,慶応義塾大学 医療・健康情報サイト「KOMPAS」,森永乳業 妊娠・育児情報サイト「はぐくみ」,Kawai Hospital,秋山こどもクリニック ,マイナビウーマン子育て
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